遺伝子に残される5億4000万年前の記憶 ― 光と水とに育まれた神秘の植物 ―

5億4千万年前から生き続けるクロレラの力!

健康食品として、すっかりおなじみとなったクロレラ。 実はこのクロレラは、人間が生まれるずっとずっと前から、地球で生き続けていました。僕たちの暮らす地球が生まれたのが46億年前、光合成によって酸素を作る植物の先祖シアノバクテリアが生まれたのは20億年前。
しかし今から6~8億年前、太陽の光が地球に届かずに地球全体が凍結した時代があり、地球上の生物はほとんど死に絶えてしまいました。その後わずかに生き残った生き物が再び地球上で繁栄するのが、6億年前のカンブリア紀という時代。時代でいうと5億4000万年ほど前にクロレラとクラミドモナスは分岐したことが遺伝子解析で分かりました。
それ以来何度も起こった天変地異や気候変動にも負けず、ずっとその命をつなげているクロレラはとっても生きる力の強い生き物なのです。

 

 

 

なんでそんなにクロレラは強いの??

先カンブリア紀のクロレラ様化石

しかし、なぜクロレラはそれほど長い間、命をつないでいるのでしょうか?
その理由のひとつはクロレラの細胞壁。クロレラが1000分の3〜8ミリというとても小さい生き物で、とっても強い殻(細胞壁)に包まれています。この殻が、環境の変化から、クロレラの身体を守ってくれるのです。
もう一つはその繁殖力。生き物はオス・メスの両方の個体がいて増えるのですが、クロレラは一つの個体だけで増えることができます。これを無性生殖といいます。
しかも、ひとつの細胞が20~24時間ごとに4つに分裂。1日後には4個、2日後には16個とすごいスピードで増えていくことができるので、子孫を残しやすいのです

 

なぜクロレラを食べるようになったの?

人間がクロレラに着目したのは今から100年以上前の19世紀末。オランダの微生物学者バイリンクがクロレラを見つけたことがはじまり。
クロレラという名前もこの頃、緑色という意味の「chlor」と小さいという意味の「ella」という2つの言葉を合わせてつけられました。
その後、1930年代も終わり頃ドイツのリンドナー博士がクロレラに良質のたんぱく質が多く含まれていることを発表。世界各国で食糧難を救う食料源になると考えて研究を進めました。

その後、第二次世界大戦が起こって、一旦クロレラの研究はストップしてしまいます。
戦争が終わると今度はアメリカやソビエトの研究者が、宇宙飛行士の食料として研究を再開。日本でも大戦後の食糧危機を救う食べ物として、アメリカのカーネギー研究所の勧めで本格的にクロレラの大量培養の研究が開始されたんだ。だけどクロレラの採取効率が低くコストが高かったことや米の豊作で日本の食糧難も解決に向かって、クロレラへの関心は薄くなっていきました。

そんなクロレラが、再び注目を集めたのは1960年代になってから。健康食品として優れた栄養素があることが広まると、大きなブームが巻き起こりました。1970年代には、200を超えるクロレラの健康食品が作られていたのです。

21世紀になってもクロレラの研究は進んでいます。クロレラの起源を5億4千万年前までさかのぼることができたのも遺伝子解析を使った最近の研究成果のおかげ。また、今ではクロレラと皆の身体の関係を、遺伝子レベルで調べる「ニュートリゲノミクス」や血液の僅かな変動をとらえることのできる「メタボローム解析」など最新の技術を使って研究されているんだ。これからもドンドン研究の進むクロレラ。新しい情報が見つかったら、また僕が解説していきます!お楽しみに!

まとめ

その1:クロレラの起源は5億4千万年前までさかのぼる
その2:クロレラは固い細胞壁と、旺盛な繁殖力を持つ生き物
その3:クロレラが食用とされ始めたのは19世紀末、現在もその有用性が研究されている

もっと知ろう!クロレラの秘密

健康食品の代表的存在として知られるクロレラ。クロレラがどのような食品・生物であるのか、またどのような力を持っているのか、クロレラの知識をお伝えします。